予備群では1%の減量から糖尿病リスクが下がり始める
44試験・約1.5万人の用量反応解析では、1〜9%の範囲で減量幅が大きいほど正常血糖への回復が増え、2型糖尿病への進行が減った。

「まず5%」より手前にも意味があるか
減量指導では、しばしば体重の5〜10%が目標として示されます。しかし、前糖尿病の段階で2型糖尿病を防ぐために、最低どれくらいの減量が必要なのでしょうか。
この研究は、食事、運動、または両方を使った生活習慣介入を6か月以上続けた44件のランダム化試験、14,742人を統合しました。試験期間の中央値は24か月、平均減量幅は開始時体重の1〜9%でした。
正常血糖への回復と糖尿病への進行
生活習慣による減量介入を受けた人では、通常ケアなどの対照群と比べて、正常血糖へ戻る人が100人あたり11人増加しました。
反対に、2型糖尿病へ進行する人は100人あたり8人減少しました。相対リスクでは0.59で、進行リスクが41%低い推定です。どちらもエビデンスの確実性は中等度と評価されました。
1〜9%の範囲で直線的に改善
用量反応解析では、減量が1%から9%へ大きくなるにつれて、正常血糖へ戻る可能性は直線的に増え、糖尿病へ進むリスクは直線的に減りました。
特定の食事法や運動法だけが優れているという結果ではありません。食事、運動、その組み合わせのどれでも、減量を実現できれば利益が見られました。
大きな目標に届くまで効果がゼロなのではなく、少しの減量から利益が積み上がる、と読める結果です。
実生活では段階目標にする
体重80 kgの人なら、1%は0.8 kg、5%は4 kgです。最初から5%を唯一の合格点にすると、小さな改善を見落とします。
まず1〜2%を維持し、その後3%、5%へ進む段階目標にすると、血糖、腹囲、食習慣の変化を確認しやすくなります。前糖尿病では体重だけでなく、HbA1cや空腹時血糖を医療機関で定期的に確認することが重要です。
体重以外の要因もある
この解析は減量幅と糖尿病予防の関係を示しましたが、筋肉量、睡眠、薬、遺伝的背景などをすべて同じ条件にしたものではありません。体重が思うように減らない場合も、運動や食事改善が血圧、脂質、体力に利益をもたらす可能性があります。