内臓脂肪長期追跡研究

体重が戻っても、内臓脂肪の減少は未来の健康に残るか

2つの生活習慣試験を5年・10年追跡。体重の再増加後も腹部脂肪の改善は一部残り、内臓脂肪10%減は糖尿病リスク28%低下と関連した。

Close-up of woman in sports bra measuring waist with pink tape for fitness goals.
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リバウンドしたら努力はゼロになるのか

減量後に体重が戻ると、介入の健康効果もすべて失われたように感じます。しかし体重が同じでも、脂肪がつく場所や代謝状態まで完全に元通りとは限りません。

この研究は、地中海食のバリエーションと運動を組み合わせた2つの18か月臨床試験の参加者を、終了から5年、10年後まで追跡しました。対象者366人のうち96%と連絡が取れ、MRIで内臓脂肪、皮下脂肪、肝脂肪、膵脂肪を測定しました。

体重は戻っても腹部脂肪は一部維持

長期追跡では、体重は完全に再増加していました。それでも、腹囲、内臓脂肪、深部・表層の皮下脂肪は、介入で得た改善の一部を保っていました。

一方、肝臓の脂肪減少は完全に失われ、膵臓の脂肪は介入前を超えて増えていました。脂肪の部位によって、リバウンド後の動きが異なることを示しています。

内臓脂肪10%減と糖尿病リスク

介入中に内臓脂肪が10%減ったことは、長期のインスリン抵抗性やメタボリックシンドローム指標の改善と関連しました。

特に、内臓脂肪10%減は、追跡中に2型糖尿病を新たに発症するリスクが28%低いことと独立して関連しました。解析では体重変化、地中海食の継続度、身体活動などが調整されています。

体重の数字が戻っても、介入中に内臓脂肪を減らした経験が長期の代謝リスクに影響する可能性があります。

体重以外の追跡指標

MRIで内臓脂肪を定期測定するのは一般的ではありません。実生活では腹囲が利用しやすい代替指標です。体重と一緒に、同じ位置、同じ条件で腹囲を測ると、体重計だけでは見えない変化を追えます。

また、血圧、中性脂肪、HDLコレステロール、血糖、HbA1cも長期リスクをみる手がかりです。リバウンドを「すべて失敗」と捉えるより、再び行動を整えるための複数の指標を持つほうが実践的です。

この研究の限界

元の試験はランダム化されていましたが、今回の長期解析は、介入中の脂肪減少と将来の結果の関連を調べた追跡研究です。内臓脂肪を減らすことが糖尿病を防いだと断定はできません。また参加者や食事介入の特徴によって、他の集団では結果が異なる可能性があります。